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介護老人保健施設の費用はいくらかかる?月額と内訳

介護老人保健施設の費用はいくらかかる?月額と内訳のイメージ

ご本人の退院後や在宅介護からの移行先として、介護老人保健施設(老健)の利用を検討し始める時期です。毎月どの程度の費用がかかるのか、内訳と合計額を確認します。

この記事でわかること:

  • 介護老人保健施設の月額費用の相場
  • 費用の内訳と居室タイプ別の違い
  • 負担を抑えるための軽減制度の仕組み
この手帖の目次

介護老人保健施設の月額費用の相場はいくらか

介護老人保健施設は、在宅復帰を目指してリハビリテーションや医療ケアを提供する公的な介護保険施設です。月額費用は、介護保険の自己負担分と、食費や居住費などの実費を合わせて算出されます。

介護老人保健施設の月額費用の相場はいくらかのイメージ

要介護度別の月額費用の目安

介護老人保健施設を利用する際の月額費用の相場は、約10万円〜15万円程度です(2026年時点)。この金額には、介護サービス費の自己負担分、食費、居住費が含まれます。

要介護度が上がると施設で受ける介護の手厚さが増すため、介護サービス費用も高くなります。要介護1から要介護5まで、区分に応じた基本報酬が設定されています。

また、40歳から64歳までの方(第2号被保険者)が利用する場合、特定疾病(末期がん、関節リウマチなど16種類)が原因で要介護認定を受けた方に限り対象となります。その際は手続きに医療保険証が必要です。

居室タイプ(個室・多床室)による費用の違い

施設内の部屋の形態によって、毎月支払う居住費の金額が変わります。主な居室タイプには、多床室(相部屋)、従来型個室、ユニット型個室などがあります。

多床室は1部屋を複数人で使用するタイプで、居住費がもっとも低く設定されています。費用を抑えたい場合の選択肢となります。

ユニット型個室は、少人数のグループ単位で生活しながらプライベートな個室を持つタイプです。手厚い見守りを受けやすい反面、多床室よりも居住費が高くなります。ご本人の性格やプライバシーへの配慮、予算に合わせて適した部屋を選択します。

月額費用には何が含まれているのか(内訳)

月額費用は、大きく「介護サービス費用(自己負担分)」と「居住費・食費・日常生活費」の2つに分かれます。それぞれの内容を把握することで、請求書の内訳を理解しやすくなります。

介護サービス費用と自己負担割合

月額費用には何が含まれているのか(内訳)のイメージ

介護サービス費用は、要介護度ごとに定められた施設サービス報酬に基づきます。利用者はそのうち所得に応じた割合(1割から3割)を自己負担として支払います。

この費用には、基本的な介護やリハビリのほか、看護師による医療処置や機能訓練指導員による個別リハビリが含まれます。施設の手厚い人員配置や手厚いリハビリ体制に応じた加算がつく場合もあります。

自己負担割合は「介護保険負担割合証」で確認できます。毎年所得に応じて判定されるため、前年の収入状況によって見直しが行われます。

居住費・食費・日常生活費の実費

介護サービス費用とは別に、施設での生活に直接かかる費用は全額自己負担となります。2026年時点における基準費用額の基準値は以下の通りです。

項目基準費用額(目安)
食費(1日あたり)1,445円
居住費:ユニット型個室(1日あたり)2,066円
居住費:ユニット型個室的多床室(1日あたり)1,728円
居住費:従来型個室(1日あたり)1,170円
居住費:多床室(1日あたり)437円〜697円

これらの基準額に利用日数を掛けた金額が毎月請求されます。日常生活費には、施設で用意されるシャンプーや歯ブラシなどの日用品費、教養娯楽費、洗濯代などが含まれます。

理美容代や私物の洗濯代などは施設によって設定金額が異なります。お住まいの自治体や施設で詳細な価格設定を確認してください。

入居時にかかる初期費用はあるのか

有料老人ホームなどの民間施設では、入居時にまとまった金額が必要になることがあります。一方で、公的施設である介護老人保健施設の初期費用にはどのような特徴があるか説明します。

入居一時金や保証金の有無

介護老人保健施設では、入居一時金や権利金、保証金といった初期費用はかかりません(2026年時点)。入居時の初期費用は0円です。

民間施設のように数百万円単位の初期投資を求められることがないため、まとまった資金が手元になくても入所を検討できます。契約時にまとまった資金を準備する必要はありません。

ただし、入所初月の費用は日割り計算で翌月に請求されます。退去時も利用日数に応じた精算が行われます。

事前に準備しておくべき雑費や医療費

入居一時金は発生しませんが、入所にあたって身の回りの品をそろえる実費が発生します。衣類、履物、タオル類、施設内で使用する日用品の準備費用が必要です。

また、介護老人保健施設では入所中の診察や投薬は原則として施設の配置医師が行います。持病の処方薬や特別な医療処置にかかる費用は、介護サービス費や医療費として別途計算されます。

施設指定以外の医療機関を受診する場合や、特殊な医療材料が必要な場合は別料金となることがあります。事前に施設の生活相談員に相談しておくと安心です。

費用負担を抑える制度の活用方法

所得や世帯の課税状況に応じて、毎月の支払額を軽減する公的制度が用意されています。申請を行うことで、食費や居住費、介護サービス費の負担を減らせます。

負担限度額認定(食費・居住費の軽減)

費用負担を抑える制度の活用方法のイメージ

所得が一定以下の世帯を対象に、食費と居住費の上限を設ける「介護保険負担限度額認定」という制度があります。2026年8月時点の段階別費用(1日あたり)は以下の通りです。

所得段階対象要件の目安食費居住費(ユニット型個室)居住費(ユニット型個室的多床室)居住費(従来型個室)居住費(多床室)
第1段階生活保護受給者・老齢福祉年金受給者390円0円0円0円0円
第2段階本人・世帯全員が非課税(年金収入等82.65万円以下)390円880円550円480円430円
第3段階①本人・世帯全員が非課税(年金収入等82.65万円超120万円以下)680円1,370円1,370円880円430円
第3段階②本人・世帯全員が非課税(年金収入等120万円超)1,420円1,470円1,470円880円430円

適用を受けるには、お住まいの市区町村の介護保険課へ申請し「介護保険負担限度額認定証」の発行を受ける必要があります。預貯金などの資産要件も設定されているため、申請手続きの際に窓口で確認してください。

認定証を施設に提示した日から軽減が適用されます。申請を忘れると過去にさかのぼって適用されない場合があるため、早めの手続きをおすすめします。

高額介護サービス費の仕組み

1か月間に支払った介護サービス費用(1〜3割の自己負担分)の合計が上限額を超えた場合、超えた分が払い戻される制度です。2026年時点の上限額(月額)は所得区分ごとに定められています。

所得区分世帯の課税状況・所得要件月額上限額
現役並み所得者課税所得690万円以上(年収約1,160万円以上)140,100円
現役並み所得者課税所得380万円以上690万円未満(年収約770万〜1,160万円未満)93,000円
一般課税所得380万円未満(住民税課税世帯)44,400円
住民税非課税世帯全員が住民税非課税24,600円
非課税(個人)老齢福祉年金受給者など15,000円
生活保護等生活保護受給者等15,000円

この制度の対象は「介護サービス費用」のみであり、食費や居住費、日常生活費は含まれません。上限を超えた場合は自治体から支給申請書が届くため、市区町村の窓口に提出して口座登録を行います。

口座の登録は初回のみで、2回目以降は上限を超えた額が自動的に振り込まれます。自治体からの通知を見落とさないように確認しておきましょう。

費用の見積もりを取り、入所を検討する手順

具体的な費用を算出するには、ご本人の要介護度や世帯の所得状況に応じたシミュレーションが必要です。手続きを進める手順を解説します。

費用の見積もりを取り、入所を検討する手順のイメージ

施設への問い合わせと料金表の確認方法

まずは検討している介護老人保健施設へ問い合わせを行い、料金表(料金案内)を入手します。多くの施設ではウェブサイト上で料金表を公開しているほか、生活相談員へ連絡することで郵送してもらえます。

料金表を見る際は、基本料金に加えてどの加算(リハビリ加算、栄養管理加算など)がついているかを確認します。施設ごとに注力しているケアが異なるため、加算項目の内容によって月額費用に数千円〜数万円の差が生じます。

見学や面談の機会を利用して、ご本人の要介護度と希望する居室タイプを伝え、概算の見積もり作成を依頼してください。

ケアマネジャーや相談窓口への連絡

現在病院に入院中の場合は「医療ソーシャルワーカー」、自宅で過ごしている場合は担当の「ケアマネジャー」または「地域包括支援センター(市区町村が設置する介護の相談窓口)」へ連絡します。

介護の専門職は、ご本人の身体状況に合った施設選びや、利用可能な軽減制度のアドバイスをしてくれます。負担限度額認定の申請手続きについても相談が可能です。

なお、申請書類への押印・認印は原則不要となっています。書類の提出方法や必要書類の詳細は、お住まいの自治体で確認してください。

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参考

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