親御さんの有料老人ホーム探しを始めるとき、まず気になるのは毎月どれくらいの費用がかかるかという点です。
この記事でわかること:
- 有料老人ホームの初期費用と月額費用の相場
- 施設の種類による費用の違い
- 月額費用に含まれる内訳と含まれないもの
- 費用を抑えて探すための具体的な選択肢
有料老人ホームの費用には何が含まれるか
有料老人ホームの費用は、入居時に支払う初期費用と、毎月継続して支払う月額費用の2つで構成されます。2026年8月時点の一般的な相場として、初期費用が数十万円から数千万円、月額費用が15万円から30万円程度かかります。

入居一時金や前払い金などの初期費用
有料老人ホームに入居する際、最初に支払う費用が入居一時金や前払い金です。これは居室や共用スペースを将来にわたって利用するための権利を取得する費用として扱われます。
入居一時金の額は施設によって大きく分かれます。厚生労働省の各種調査に基づく動向によると、令和7年(2025年)3月時点で入居一時金「なし」の割合は約2割〜3割となっています。数万円程度で入居できる施設がある一方で、数千万円以上の高額な初期費用を設定している施設も存在します。
契約時には、初期費用がどのように設定されているかを確かめることが求められます。初期費用が0円のプランでも、その分だけ月額費用が高く設定されている場合があるためです。
毎月支払いが発生する月額費用
入居後に毎月継続して支払うのが月額費用です。月額費用の一般的な目安は15万円から30万円程度とされています。
月額費用の主な項目には、居住する部屋の賃料(家賃)、施設の維持管理に使われる管理費・共益費、日々の食事代である食費があります。これらに加えて、介護保険サービスの自己負担額や医療費、個人の生活用品代などが毎月発生します。
月額費用は、親御さんの年金収入や貯蓄の中から長期的に支払い続けられる金額であるかがポイントになります。想定される月々の支出を項目ごとに細かく算定しておく必要があります。
施設の種類によって費用はどう違うか
有料老人ホームは、提供されるサービスや介護の関わり方によって主に3つのタイプに分けられます。施設の種類によって費用構造が異なります。
介護付き有料老人ホームの費用構造

介護付き有料老人ホームは、都道府県から特定施設入居者生活介護の指定を受けた施設です。施設に配置された介護スタッフから、24時間体制で介護サービスや生活支援を受けられます。
厚生労働省の令和4年度調査研究報告書等の公開情報によると、介護付き有料老人ホームの月額利用料は約20万〜30万円台です。月額費用の平均は約22.7万〜26万円程度(中央値はおよそ23万円前後)とされています。初期費用は0円〜数千万円と幅広い設定が存在します。
このタイプの費用面での特徴は、介護サービス費が包括報酬(定額)となっている点です。要介護度に応じた一定の金額を支払うため、月々の介護負担額の変動が少なく、資金計画を立てやすくなっています。
住宅型有料老人ホームの費用構造
住宅型有料老人ホームは、主に生活支援や食事サービスを提供する高齢者向けの住まいです。施設内で直接的な介護サービスを提供するのではなく、必要な介護は外部の介護事業所と契約して利用します。
厚生労働省の令和4年度調査によると、住宅型有料老人ホームの月額利用料および月額費用の平均は約11万〜17万円程度(中央値はおよそ14万円前後)となっています。基本となる月額利用料は、介護付きに比べて低めに設定されている傾向があります。
費用面での注意点は、介護サービスを利用した分だけ外部事業者に費用を支払う仕組みであることです。介護の手間が多くなると、外部の訪問介護やデイサービスなどの利用が増え、毎月の介護保険自己負担額の上限に達する場合があります。
健康型有料老人ホームの費用構造
健康型有料老人ホームは、自立して生活ができる高齢者を対象とした施設です。家事のサポートや食事の提供、レクリエーション設備などが整えられています。
健康型有料老人ホームの費用については、公的な平均値データの公表がないため具体的な費用数値の提示は差し控えます(監修時確認)。一般的に、充実した共用設備やアクティビティを備えているため、初期費用や月額の管理費が高額に設定される傾向があります。
なお、将来的に認知症の進行や要介護状態になった場合は、契約を維持できず退去が必要になる契約となっていることが一般的です。入居後に状態が変化した際の住み替え費用も含めて検討しておく必要があります。
月額費用に含まれるもの・含まれないものは何か
施設が提示する月額費用には、含まれている費用と別途支払いが必要な実費があります。契約前に内訳を細かく把握することが欠かせません。
家賃や管理費・食費などの基本費用
施設のパンフレットや料金表に記載されている月額費用の基本部分は、家賃、管理費、食費で構成されています。これらは入居者全員が一律で支払う費用です。
家賃は居室の広さや設備、立地条件によって決まります。管理費には、エレベーターや廊下などの共用部分の維持管理費、水道光熱費、フロントサービスの人件費などが含まれます。施設によっては居室内の光熱費が管理費に含まれる場合と、個別にメーターで請求される場合があります。
食費は、3食の提供にかかる材料費や調理委託費です。毎月定額で請求される方式や、食べた食数に応じて計算される実績精算方式があります。欠食時の返金ルールなども把握しておきます。
介護保険サービスの自己負担分や医療費
基本料金とは別に毎月かかるのが、介護保険サービスの自己負担金や医療費です。これらは個人の要介護度や受診状況によって変動します。
介護保険サービスを利用した際の自己負担割合は所得に応じて1〜3割となります。40歳から64歳までの方は、特定疾病(末期がん、関節リウマチなど16種類)が原因で介護が必要になった場合に限り対象です。その際は医療保険証が必要となります。
1か月に支払った介護保険の自己負担額が一定の上限を超えた場合、「高額介護サービス費」という制度により超過分が払い戻されます。2026年8月時点での世帯ごとの月額上限額は以下の通りです。
| 所得区分 | 世帯の月額上限額 |
|---|---|
| 現役並み所得者:課税所得690万円以上(年収約1,160万円以上) | 140,100円 |
| 現役並み所得者:課税所得380万円以上〜690万円未満(年収約770万〜1,160万円未満) | 93,000円 |
| 一般・課税所得380万円未満(年収約770万円未満の課税層) | 44,400円 |
| 住民税非課税世帯 | 24,600円 |
| 住民税非課税世帯のうち、特例の低所得者 | 24,600円(世帯)または 15,000円(個人) |
| 生活保護受給者等 | 15,000円(個人) |
区分の判定は世帯の課税状況によるため、ご自身がどの区分に該当するかはお住まいの自治体で確認してください。なお、医療費や持病の薬代、通院の付き添い費用などは介護保険外の実費として発生します。
日用品費や理美容代などの個人的な支出
生活を送るうえで個人的に使用する物品やサービスの費用も、月額費用とは別に毎月手元から支出されます。
具体的には、おむつ代や歯ブラシなどの日用品費、理髪店や美容室の訪問サービス利用料、嗜好品や被服の購入費などがあります。施設内で実施される有料のアクティビティや個別の外出同行サービスを利用した際も追加の費用がかかります。
これらの個人支出は、月額で概ね1万円から3万円程度を見込んでおくと余裕を持った計算ができます。ご本人の趣味や嗜好に合わせて予算を組むことが適切です。
初期費用の支払い方式はどう選ぶか
入居時の支払い方法には、大きく分けて「一時金方式」と「月払い方式」があります。資金計画や想定される入居期間に応じて適した方式を選択します。
全額を前払いする一時金方式

一時金方式は、想定される入居期間(償却期間)の家賃やサービス利用料の全部または一部を、入居時に一括して前払いする方式です。
入居時にはまとまった資金が必要となりますが、毎月の支払額を抑えられる利点があります。前払いした一時金は、施設が定めた償却期間にわたって毎月均等に消費されていきます。
償却期間が終了する前に退去されたり亡くなられたりした場合、未償却分の残高は返還金として返還される規定が法律で定められています。ただし、入居初期に一定割合が初期償却として差し引かれる契約もあるため、返還金の計算ルールの確認が必要です。
月額に上乗せして支払う月払い方式
月払い方式は、入居時にまとまった前払い金を支払わず、毎月の月額費用に家賃相当額を上乗せして支払っていく方式です。
入居時の初期負担を抑えられるため、手元に貯蓄を残しておきたい場合に適した選択肢となります。厚生労働省の各種調査の動向でも、入居一時金「なし」を選択できる施設が増加傾向にあります。
ただし、長期間入居し続けた場合、総支払額が一時金方式よりも高くなる可能性があります。ご本人の年齢や健康状態、想定される入居期間を踏まえて総額の計算を行うことが推奨されます。
予算内で納得できる施設を探すために
費用面の不安を解消し、親御さんにとってもご家族にとっても納得のいく施設を選ぶためには、順序を立てて計画を進めることが欠かせません。

年金や貯蓄から月額の支払可能額を算出する
まずは、毎月受け取れる親御さんの年金額を調べます。そこから税金や社会保険料を差し引いた手取り額を計算します。
次に、現在の貯蓄額から万が一のための医療費や予備費を除き、毎月補填できる金額を割り出します。例えば、月額費用が20万円で年金収入が12万円の場合、毎月8万円を貯蓄から補填することになります。
10年間入居した場合に貯蓄が底をつかないかなど、ご本人の意思や希望を踏まえながら長期的視点で試算を行うことが資金計画の基本です。
地域包括支援センターやケアマネジャーに相談する
予算や条件に合った施設を見つけるためには、専門の窓口を活用するのが近道です。地域包括支援センター(市区町村が設置する介護の相談窓口)や、担当のケアマネジャーに相談します。
介護保険の各種申請手続きを行う際、申請書類への押印や認印は原則不要となっています(押印を求める自治体もあります)。手続きの手間が軽減されているため、まずは窓口へ連絡を取ることが第一歩となります。
専門家は地域の施設情報や各施設の費用体系、介護体制について把握しています。親御さんの希望や体の状態、予算の限度額を伝えることで、適切な施設の選択肢を提示してもらえます。
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参考
- kaigo.benesse-style-care.co.jp (2026-08-03 03:05 確認)
- kaigo.homes.co.jp (2026-08-03 03:05 確認)
- my-kaigo-home.com (2026-08-03 03:05 確認)
- ycota.jp (2026-08-03 03:05 確認)
- sagasix.jp (2026-08-03 03:05 確認)
- mhlw.go.jp (2026-08-03 03:05 確認)
- orixbank.co.jp (2026-08-03 03:05 確認)
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- seniorhome-mado.com (2026-08-03 03:05 確認)
- minnanokaigo.com (2026-08-03 03:05 確認)
- kaigokensaku.mhlw.go.jp (2026-08-03 03:05 確認)
- my-kaigo.com (2026-08-03 03:05 確認)
- i.care-mane.com (2026-08-03 03:05 確認)
- fp-soken.or.jp (2026-08-03 03:05 確認)
- mhlw.go.jp (2026-08-03 03:05 確認)
- yurokyo.or.jp (2026-08-03 03:05 確認)


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